いまオリンピックを考えたい

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コロナウイルスのせいで日本国内では二度目のオリンピックが延期になったが、過去に、私には忘れられないマラソン選手がいる。1964年の東京オリンピックのメダリスト円谷幸吉さんは次のメキシコオリンピック出場を前に27歳で自ら命を絶った。その姿は生真面目そうで使命感が強そうで、自衛隊員として国民の期待どおりの活躍であったが、二度の期待の重圧に耐えきれず走り書きの遺書を残した。時代が経過したいま、オリンピックが近づくにつれ、マスコミによって特にトップアスリートを中心に多くの情報が流されているが、昔以上にメダル至上主義がエスカレートしているようである。(遺書は筑摩書房『現代の文章』より)